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浸水害後に残された汚泥に潜む危険性について

浸水害後に残された汚泥に潜む危険性についてご存知でしょうか?

床上浸水はもちろんのこと、
床下浸水した家屋でも床下に水が流れ、
そこに汚泥(泥水・泥)が運ばれてきています。

床下浸水だから家は問題ない
と思われている方も多いですが、
少しの汚泥にも多くの危険性が潜んでいます。

汚泥に潜む危険

レジオネラ菌

レジオネラ菌とは

レジオネラ菌とは、河川、湖水、温泉や土壌などの自然界に生息している細菌で、
感染するとレジオネラ症を引き起こします。
レジオネラ菌は現在までにおよそ60種類が知られており、
その中でも、レジオネラ・ニューモフィラは、レジオネラ肺炎を引き起こす
代表的なレジオネラ属の1種とされています。

レジオネラ症の症状は

レジオネラ症の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、2~10日です。
レジオネラ症の主な病型としては、重症のレジオネラ肺炎と
軽症のポンティアック熱が知られています。
レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、
咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られるようになります。
まれですが、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。
また、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢ちゅうすう神経しんけい系の症状や、
下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴とされています。
軽症例もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には
急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。
これに対して、ポンティアック熱は、
突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、
またそれらは一過性のもので、自然に治癒します。

水害による感染被害

・水害後の片付けをしていて感染。
・水害に遭った家で汚泥の除去、消毒もせずに生活。

水害の後で、レジオネラ菌がエアゾルになって飛散し、
感染し、重篤な肺炎になってしまうこともあります。

感染予防のために

まずは、水害後の掃除、後片付けなどをする際には
かならず肌の露出のない服装で作業をしましょう。

そして、床下浸水ですんだから我が家は大丈夫と
思わず、床下をしっかりと点検してください。
もし、少しでも泥があるなら
ひとつ残らず綺麗に掻き出しましょう。

病原性レプトスピラ

病原性レプトスピラとは

レプトスピラは、微好気もしくは好気的な環境で生育し、
中性あるいは弱アルカリ性の淡水中、湿った土壌中で数カ月は生存できるとされる。
病原性レプトスピラは保菌動物の腎臓に保菌され、尿中に排菌される。
保菌動物として、げっ歯類をはじめ多くの野生動物や家畜(ウシ、ウマ、ブタなど)、
ペット(イヌ、ネコなど)が挙げられている。
ヒトは、この保菌動物の尿で汚染された水や土壌、
あるいは尿との直接的な接触によって経皮的に感染する。
また、汚染された水や食物の飲食による経口感染の報告もある。

レプトスピラ症の症状は

レプトスピラ症は急性熱性疾患であり、
感冒様症状のみで軽快する軽症型から、
黄疸、出血、腎障害を伴う重症型(ワイル病)まで多彩な症状を示す。
5 ~14 日間の潜伏期を経て、発熱、悪寒、頭痛、筋痛、腹痛、結膜充血などが生じ、
第4 ~6 病日に黄疸が出現したり、出血傾向も増強する。
レプトスピラ症の臨床診断は見逃がしがおこりやすいが、
臨床症状とともに、保菌動物の尿に汚染された水との接触の機会、
流行地域への旅行歴などの疫学的背景が手がかりとなる。

感染予防のために

レプトスピラ菌は保菌しているネズミ、イヌ、家畜などの哺乳動物の尿から排泄され、
土壌や水を数週間にわたり汚染します。
このため、土壌、水、保菌動物と接触した際に、
皮膚や粘膜から体内に菌が侵入することで感染します。
大雨や洪水のあとは、汚染水がうっ滞したり、
ネズミと接近する機会が増えるなどにより、
感染の危険性が高くなるため注意が必要です。
まれですが、尿などを介したヒトからヒトへの感染の報告もあります。

汚泥には見た目にはわからなくても
このような動物の糞尿が含まれている可能性がとても高いです。
それらを素手で触ったり、皮膚に付着してしまったりしないよう
しっかりとした防護体制で水害後の処理をしましょう。

破傷風

破傷風とは

破傷風は土壌に広く生息する破傷風菌による感染症です。
動物の腸の中や糞にも存在します。
破傷風菌は強力な神経毒素を産生し、中枢神経を侵し命に関わる症状を引き起こします。

破傷風の症状は

破傷風菌は強力な神経毒素を産生し、中枢神経を侵し命に関わる症状を引き起こします。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、
さまざまな神経に作用します。
口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、
歩行や排尿・排便の 障害などを経て、
最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、
息ができなくなったりし、亡くなることもあります。

感染予防のために

破傷風菌は土壌にいる細菌で、皮膚の傷口から体の中に入り感染します。
特に水害の際には、土壌中に生息する破傷風菌が水中に出てきやすいため、
感染しやすい状況です。
東日本大震災の際には、10名の方が感染しました。
2004年のインドネシア大津波の時には、1か月に106人の発症が報告され、
特に破傷風ワクチンの接種率が低い地域での感染の報告が多くありました。

感染しない為にも、もし片付け中にケガなどをしてしまった場合には
傷口を水と消毒液でしっかりと洗い、
その傷口に汚れた水や土が触れないようにしましょう。

災害復旧のボランティアや水害復旧作業をされる方は
破傷風予防のワクチン接種をしておくことも良いかもしれません。

ラスティック東日本の水害復旧ブログもご参照ください。

厚生労働省より発表されている被災した家屋での感染症対策もご覧ください。