業者直伝!カビ取り方法。カビを除去しないと危険な理由
カビを軽視するな!カビ取りを放置した場合の危険性
健康被害が出る
カビは見えないところで静かに繁殖し、私たちの健康を脅かしています。
カビの胞子は小さいうえに非常に拡散力が強く、目に見えなくとも私たちの体内に侵入してきます。
体内に入ると、免疫力の低下や呼吸系の疾患を引き起こしてしまいます。
また、アレルギー体質の方が吸い込んでしまうと、アレルギー性の疾患や喘息を引き起こす原因にもなります。
健康面の観点だけで見ると、カビはタバコよりも体に害です。
カビ特有の悪臭がする
カビには特有のニオイがあり、このニオイは私たちにとって不快感をもたらします。
特に布繊維のモノはニオイを吸着しやすい特性があるため、次第に服やカーテンにもニオイが移ってしまいます。
不快感があるまま生活を送ると、ストれるや不安を感じやすくなり、心理的にも影響します。
暮らしの質を向上させるためにも、早期の対策が求められます。
建物の耐久性が低下する
カビは、建物の寿命を縮めてしまいます。
カビは天井や壁など家のどの部分にも発生する可能性があり、浸透してしまうと耐久性が低下し建物家全体に影響を及ぼしてしまいます。
カビの繁殖を放置したままにすると、木材を腐らせてしまうケースもあり、最終的には大規模な修理が必要になります。
家庭でもできる!カビ取り方法をプロが解説
カビ除去の作業を適切に行うための手順をさらに詳しく解説します。
カビの除去は根気が必要ですが、段階を踏んで取り組むことで効果的に対策できます。
①事前準備と安全対策
安全な作業環境の確保
カビの除去作業中は細胞子が飛散しやすいため、吸い込みを防ぐために換気を徹底します。
作業場所の窓を開け、換気扇を回して外に空気を流すことで、カビの細胞子が他の部屋に移動するのを防ぎます。
保護具の着用
カビ取りの作業では、カビや薬剤が肌に触れたり吸い込んだりするのを防ぐため、マスクを着用してから行います。
カビの胞子は通常のマスクではすり抜ける可能性があるため、N95やP100などの高性能マスクを着用します。
また、目に入らないようゴーグル、肌の露出を防ぐためにゴム手袋や長袖の衣服も用意しましょう。
カビの細胞子は目や鼻、口から体内に入る事も平気であるため、安全対策は必須です。
②清掃道具とカビ取り剤の準備
使用するカビ取り剤の選定
市販のカビ取り剤には、主に塩素系、酸素系のものがあります。
塩素系カビ取り剤は強力な漂白作用があり、タイルや目地などに向いています。
また酸素系カビ取り剤は漂白作用が比較的穏やかで、布や繊維製品のような柔らかい素材に適しています。
自家製のカビ取り剤を作成することも有効的であり、 重曹と酢を使った簡単なカビ取り剤も用意できます。
重曹を水でペースト状にし、カビに塗った後、酢をスプレーして反応させることで、効果的に除去することができます。
ちなみに重曹には抗菌効果もあるため、再発予防にも適しています。
清掃道具の準備
カビ取りに使う道具として、柔らかいブラシやスポンジ、捨てても良い布などを用意します。
カビ取りで使用した道具は使用後廃棄することをおすすめします。
もったいないように思うかもしれませんが、カビ菌のついた道具を別用途で再度使用すると、再繁殖を招く恐れがあるためです。
③カビ取り剤を使用してカビを除去する
カビ取り剤の塗布と放置
カビが発生している箇所にカビ取り剤を塗布し、表面上のカビを除去していきます。
カビ取り剤塗布後はすぐに拭き取るのではなく、薬剤が付いた状態で少しの間放置しておきます。(時間は使用する薬剤の説明欄に従って下さい)
放置することにより、、カビの根っこにまで薬剤を行き渡せることができ、効果的にアプローチすることができます。
ブラシでこすり落とす
カビ取り剤が浸透した後、ブラシでカビをこすり落とします。
根が深いカビや頑固な黒カビには、力を入れすぎずに円を描くようにこすると効率よく取れます。
小さな隙間などには、歯ブラシのような小さなブラシが適しています。
素材(壁紙など)によっては傷つけてしまうものもあるため、柔らかい布やスポンジを使用して除去してきます。
④すすぎと乾燥
すすぎ
漂白剤やカビ取り剤が残らないように、布やスポンジを使ってしっかり濯いでいきます。
水で拭いた後、乾いた布で水分をしっかり拭き取ります。
乾燥
カビは湿気をとても好みます。除去箇所に湿気が残っていると、取り除ききれていないカビが再繁殖してしまいます。
そのため清掃後にしっかり乾燥させることがとても重要です。
扇風機を当てたり、除湿機を使って徹底的に乾燥することで再発を防ぐことができます。
⑤カビ再発防止の予防策
湿度管理の徹底
カビの発生を防ぐためには、湿度の管理が重要です。
湿度が50%以下に保たれるとカビの繁殖が抑制されるため、除湿機やエアコンを利用し、特に湿気が多い浴室やキッチンではこまめに除湿や換気を行います。
浴室では、入浴後に窓を開けたり、換気扇を数回回すことで湿気が残りにくくなります。
日常生活の中で、細かかな換気を行うことがカビの再発防止に繋がります。
防カビ剤の使用
カビ取り作業後、防カビ効果のあるスプレーを散布すると予防に効果的です。
また、防カビシートや防カビマットを設置することも効果があります。
これらの防カビグッズはホームセンターやドラックストアなどで手軽に入手できるため、日常的に使用すると効果が持続します。
※カビ取り作業時の注意点
薬剤の取り扱いに注意
酸性のカビ取り剤(酢やクエン酸)と塩素系のカビ取り剤は絶対に混ざらないようにしましょう。
混ざると有毒なガスが発生し、最悪の場合、命を落とすこともあります。
薬剤は必ず単独で使用し、使用後は換気を徹底してください。
素材への影響を確認:
カビ取り剤を使用する素材によっては、脱色や傷みを伴う可能性もあるため、特にデリケートな素材には必ず目立たない場所で試してから使用します。
完全除去は不可能!?カビ取り作業が難しい理由
強い繁殖力
カビは繁殖力はかなり強力で在り、わずかな栄養源と水分があれば簡単に増殖します。
家の中でカビが栄養源として利用できるものは幅広く、例えば空気中のホコリ、油分、食品の残渣(食べこぼし)や壁紙や塗料に含まれる次剤などが含まれます。
カビの細胞分裂は急速であるため、一度繁殖すると一気に拡散されることが特徴です。
根が深い
カビは木材やコンクリート、壁紙などあらゆる素材に入り込みます。
一度発生すると深く入り込み、目に見えない部分まで根を張ります。
特に木材や壁紙は多孔質(空気の通り穴が多い在室)であるため、その隙間にカビが特に入り込みます。
この根が深いカビを取り除くためには、表面的な除去では不十分であり、素材の奥に潜っている根本部分のカビも完全に除去する必要があります。
目立たないところに繁殖(見落としやすい)
カビ湿気が多い暗闇を好むため、日常生活において私たちが気づきにくい場所での繁殖し、発見時には広範囲に広がっていることが多いです。
また、カビは空気中に細胞子を飛ばして繁殖範囲を広げる特性があり、この細胞子は非常に小さく、肉眼では見えない大きさとなっています。
そのため、知らないうちに胞子が家全体に広がってしまいます。
一般的な家庭用清掃用品では除去が難しいことがある
家庭用のカビ取り剤や漂白剤は、表面上のカビを取り除くには有効ですが、カビの根が深く根付いている場合や、特定の薬剤に耐久性を持つカビには効果が限定されています。
特にカビが根を張っている部分を完全に除去するためには、専用の洗浄機器や薬剤が必要になります。
そのため、完全に元からカビを除去するとなると、プロのクリーニングが必要なケースもあります。