賃貸部屋で発生した孤独死の特殊清掃費用を決める3つの要素【作業事例付き】
近年では、核家族や未婚率の増加などが原因で、一人暮らしをする人が増えてきています。
それに伴い、孤独死も増えてきているのが現状です。
本解説では、賃貸部屋での孤独死が発生する理由や、の特殊清掃費用について解説するとともに、費用を決定付ける3つの要素について説明します。
また、作業事例も用いてわかりやすく解説しています。賃貸部屋での孤独死は、放っておくと周りの住人にも影響を与え、退去に至ってしまう恐れがあります。そのため、一刻も早く専門業者へ依頼し、対策を打つ必要があります。
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賃貸部屋は孤独死が発生しやすい!?
賃貸部屋には、孤独死発生に至る要因が多く隠れています。
また、孤独死が発生してもなかなか気づかれず、発見が遅れてしますケースもしばしばあります。
一人暮らし世帯が増えている
2020年の「国勢調査」(5年ごとに実施)によると、日本での一人暮らし世帯の数は2,115万1,042世帯で、一般世帯(5,570万4,949世帯)の約4割を占めるというデータがあります。
また、東京都に関しては、一般世帯全体の約5割が単身世帯であり、初めて過半数を超えたとされています。
孤独死の定義は「誰にも気づかれることなく、一人で自宅にて亡くなること」です。
つまり、一人暮らし世帯が増えるということは、それだけ孤独死が発生する可能性が増えるということになります。
異変を察知されずらい
一人暮らしをしている人は、ご近所付き合いが少ないとされています。
独)都市再生機構(UR都市機構)の「一人暮らし男女のご近所付き合いに関するアンケート調査」の結果によると、「近所付き合いはない」と回答した人が全体の6割に及んだとされています。
※1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で一人暮らしをしている20~30代の男女を対象にインターネット調査を行い、600人の有効回答を得たもの。
※出典:(独)都市再生機構 「一人暮らし男女のご近所付き合いに関するアンケート調査」
近所付き合いが少ないと、病気やけがなどで何らかの異変があっても周囲に気づいてもらえにくくなります。
そしていざ気づいてもらえた時には、既に孤独死してしまっていることが少なくありません。
賃貸部屋での特殊清掃費用を決める3つの要素
特殊清掃は様々な作業構成で出来ているため、費用感が掴みづらいのが一般的です。
ここでは、特殊清掃の費用をわかりやすく可視化するために、3つの要素にまとめました。
大きな軸を知ることで大まかな費用感が分かりますので、ぜひご参照ください。
特殊清掃費用を決定づける3つの要素
- 汚染レベル
- 作業範囲
- 依頼内容
汚染レベル
汚染の度合いによって作業内容変わります。
例えば、汚染度合いが少なければ、洗浄や清掃・除菌作業などで済むでしょう。
そのため、費用も抑えられる可能性が高いです。
しかし、汚染度合いが大きいと、解体やリフォームを施さなければ、体液やニオイを完全に取り除くことは難しくなります。
そのため、費用は高額になってきます。
作業範囲
体液が染み込んでいる範囲が同じでも、お部屋の大きさに応じて、作業料金は変わります。
その理由は、孤独死のニオイや汚染物質は、お部屋全体に広がっているためです。
きちんと清掃するためには、お部屋全体のクリーニング作業やクロス剥がし必須になります。
そのため、お部屋の規模や面積が大きくなるにつれて、作業量や必要工数が増えるため、料金も上がります。
依頼内容
特殊清掃を依頼するお部屋をどのレベルにまで回復させたいかによっても料金が変動します。
お部屋をどのレベルに戻したいかによって、金額が変わります。
よくいただくご依頼が下記の3パターンになります。
- とにかく部屋に入れるようにしたい
- お部屋全体の消臭してほしい
- 人が住めるまで復旧してほしい
状況に応じた特殊清掃費用の相場
各ジャンルに応じた特殊清掃費用の相場になります。
・汚染レベルで見る特殊清掃費用の相場
汚染レベル | 判断基準 | 費用相場 |
---|---|---|
小 | ・体液や血液がほとんど付着していない ・ニオイがあまりしない ・害虫があまり見受けられない | 10~30万円 |
中 | ・体液や血液が床に広がっている ・部屋に入ると強いニオイを感じる ・ハエや蛆が沸いている | 20~50万円 |
大 | ・体液や血液が床や柱に染み込んでいる ・部屋から強いニオイが漏れ出している ・孤独死発見から日数がかなり経過している | 30~100万円 |
作業範囲で見る特殊清掃費用の相場
作業範囲 | 費用相場 |
---|---|
1R~1K | 10~30万円 |
1DK | 15~40万円 |
1LDK | 20~50万円 |
2LDK | 25~60万円 |
戸建て | 30~80万円 |
依頼内容で見る特殊清掃費用の相場
依頼内容 | 主な必要作業 | 費用相場 |
---|---|---|
とにかく部屋に入れるようにしたい | ・緊急消臭/除菌作業 | 10万円前後 |
部屋全体の消臭をしてほしい | ・汚染箇所の清掃 ・除菌・消臭作業 ・お部屋全体のクリーニング ・有害物質除去作業 | 20万円~60万円 |
人に部屋を貸せるレベルにしてほしい | ・体液や血液が床や柱に染み込んでいる ・汚染箇所の清掃 ・除菌・消臭作業 ・お部屋全体のクリーニング ・有害物質除去作業 ・原状回復工事やリフォーム | 30~150万円 |
【注意】
※あくまで費用相場になります。
※実際の費用を知りたい方は、お問い合わせください。
※正確な費用を知りたい方はお問い合わせください。
遺品整理(残置物撤去)費用の相場
孤独死現場の清掃作業では、同時に遺品整理作業や残置物撤去などが同時に行われるケースがほとんどです。
モノにも体液や有害物質が付着している可能性があるため、一貫してお任せするのが安全です。
作業範囲 | 費用相場 |
---|---|
1R~1K | 10~25万円 |
1DK | 15~30万円 |
1LDK | 25~35万円 |
2LDK | 35~40万円 |
戸建て | 40~60万円 |
【注意】
※あくまで費用相場になります。
※物量によって金額が大きく変わります。
※正確な費用を知りたい方はお問い合わせください。
賃貸部屋で発生した孤独死の作業事例
孤独死現場での特殊清掃作業や遺品整理作業の作業事例をまとめました。
ぜひご参照ください。
物量が多い1LDKで発生した孤独死の特殊清掃と遺品整理作業
【東京都大田区】
【汚染レベル】
中
【作業範囲】
1DK
【依頼内容】
部屋全体の消臭
【作業費用】
520,000円
1Kで発生した孤独死の特殊清掃と遺品整理作業
【神奈川県横浜市】
【汚染レベル】
中
【作業範囲】
1K
【依頼内容】
部屋全体の消臭
【作業費用】
380,000円
体液が床に染み込んでいた1LDKの特殊清掃
【埼玉県さいたま市】
【汚染レベル】
大
【作業範囲】
1LDK
【依頼内容】
部屋全体の消臭
【作業費用】
300,000円
追加費用が発生しないための特殊清掃業者の選び方
追加費用が発生したケース
筆者の元に相談に来られた方や、周りから聞いた話を元に追加費用が発生したケースをご紹介します。
費用が安いという理由で業者を選んだが、作業がとても適当だった。ニオイも残っていたため、やり直しの依頼をしたが、断られた。結局、他の業者に再度作業をしてもらったため、追加費用が発生した。
コミュニケーションをあまりとってくれない担当者だった。特殊清掃と遺品整理の両方を依頼したのにも関わらず、業者の勘違いで特殊清掃しかしてくれなかった。業者からは「聞いていませんでした」や「遺品整理を行うなら別途費用が発生します」と言われた。
依頼をしていない作業まで、勝手に行われて費用を請求された。
特殊清掃業者の選び方
実績経験が豊富
孤独死した状況や場所によって、使用する技術や薬剤を変え、適切なアプローチをかけなければニオイは無くなりません。
臨機応変に対応するにはは、多くの現場経験や知識を有する必要があります。
そのため、現場実績が豊富で特殊清掃や孤独死専門の資格を保持している業者を選ぶことをおすすめします。
見積り時にしっかり話を聞いてくれる
どれだけ優れた技術を持っていたとしても、双方の認識がずれていたらトラブルは起こります。
このトラブルは頻繁に起きており、特殊清掃業者選びで失敗する理由の最も多い理由です。
依頼したいいことをしっかり汲み取ってくれる担当者がいる業者を選ぶことをおすすめします。
各種専門家とのつながりがある
清掃だけでは、アプローチしきれない場合は、解体や工事が必要になります。
想定外のことが起きても、各専門家とのつながりが強い業者は、スムーズに対応してくれます。
また、孤独死は複雑な問題であり、清掃や片づけが終わってもやらなければならないことがたくさんあります。
士業や葬儀屋、不動産、相続に詳しい専門家とのつながりがある特殊清掃業者を選ぶことで、より深い相談ができます
まとめ:賃貸部屋で孤独死問題はご相談下さい
この記事では、賃貸部屋で発生した孤独死の特殊清掃費用を決める3つの要素を作業事例を交えて解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 一人暮らし世帯の増加や異変を察知されづらい賃貸部屋は孤独死が発生する可能性が高い
- 特殊清掃作業費用は「汚染レベル」「作業範囲」「依頼内容」の3要素で決まる
- 実績経験豊富で話を聞いてくれることや各専門家と繋がりのある業者を選ぶことが大切
インターネットで簡単に情報を集められるからこそ、業者選びや本当の費用を見定めるのが逆に難しくなってきています。
この記事もあくまで、参考程度にしかなりません。
特殊清掃は作業内容や費用感がイメージしずらく、業者選びに失敗される方も多くおられます。
また、現場の状況により大きく費用も変動するため、本当の金額を知りたい方は実際に見積を取って金額を確認することをおすすめします。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。