賃貸で自殺発生。特殊清掃を依頼する時に注意すべきポイントを解説
この記事でわかること↓
・自殺現場の状況をケース別に知ることができる
・特殊清掃依頼時に注意すべきポイントがわかる
・自殺現場の特殊清掃の相談先がわかる
賃貸で発生する主な自殺現場の特徴をケース別に解説
次に自殺現場の種類について解説していきます。
自殺現場と言っても、命の絶ち方によって現場の光景は大きく変わってきます。
首吊り自殺
首吊り自殺があった現場では、ご遺体から流れ出た体液や糞尿が付着していることがあります。
また、発見が遅れ時間が経過している場合には、ご遺体が腐敗し害虫が発生していることもあります。
体液には菌やウイルスが潜み、感染症のリスクもあるため、絶対に触れてはなりません。
練炭自殺
練炭自殺があった現場では、煙がお部屋全体に蔓延していることがあります。
発見が早い段階で有れば、お部屋に残っている煙を吸ってしまい一酸化炭素中毒を引き起こしてしまう危険性があります。
また、練炭の燃焼によって煤や有害物質が発生しており、こちらむ吸い込むと危険です。
呼吸器系の疾患や頭痛、めまい、吐き気などを引き起こすため、注意が必要です。
自傷行為自殺(リストカットなど)
自傷行為自殺があった現場では、血液が飛び散っていることが特徴です。
血液も触れると感染症にかかる恐れがあるため、絶対に触れてはなりません。
また、自傷行為自殺では、血液が飛び散るのことを防ぐために、浴槽にて行われることもあります。
浴槽にてご遺体を発見された場合、絶対にやってはいけないは、浴槽の栓を抜いてしまうことです。
栓を抜いてしまうと、配管に体液や血液が流れ込んでしまい、建物全体に広がってしまう可能性があるためです。
薬物服用自殺
薬物服用自殺があった現場では、リビングやキッチンでご遺体が発見されることもありますが、トイレで発見されることもあります。
トイレで発見される理由は、副作用の苦しみから逃れるためです。
薬を服用した際に発生する副作用の苦しみや激痛に耐えきれずトイレに嘔吐しに向かい、そこで息絶えてしまった結果、トイレで発見ということが起ってしまいます。
自殺現場の特殊清掃依頼前に注意すべきこと
自殺現場は、危険因子がたくさん潜んでいます。
何も知らずに、現場に入ってしまうと新たな被害を生んでしまう、二次被害に遭ってしまう可能性もあります。
体液や血液には絶対に触れない
前の章でもお伝えしましたが体液や血液には感染症のリスクがあるため絶対に触れてはなりません。
また、ご遺体付近以外の場所も感染症のリスクがあります。
空気の流れで体液の小さな粒子が浮遊したり、体液が付着した状態の虫が飛び回ることで、お部屋全体に菌やウイルスが付着している可能性があります。
あまり知られていませんが、個人情報やご貴重品などのご遺品捜索も特殊清掃員が行ってくれます。
しっかりと消毒及び除菌した状態で引き渡してくれるため、安全にご遺品を見つけることができます。
ご遺族様のペースで進める
お部屋復旧の観点からみると、体液等が付着していた場合、早急に特殊清掃やお片付けを行う必要があります。
しかし、ご遺族様は気持ちの整理がついておらず、混乱状態であることが大半です。
お部屋が汚損していても、ご遺族様にとっては故人様の生きた証を証明するかけがえのない空間です。
そのため、ご遺族さんの想いにしっかり寄り添いながら話し合いを行い、今後の方針を決めていくことが大切になります。
なお、私たち(株)ラスティックでも、ご遺族様や管理会社様ならびにオーナー様の間に入り、ご相談を承ることもよくあります。
些細なことでも大丈夫ですので、お気軽にご相談ください。
保険対応可能か事前に調べる
自殺現場の清掃や片づけ、復旧に関する費用は、保険で対応可能な場合があります。
保険金の対象範範囲や金額については、契約している商品や各社によって変わってきますので、担当者に確認することが確実です。
なお、特殊清掃の保険対応につきましては、下記記事でも解説しておりますのでよろしければご参照ください。
近年賃貸での自殺件数は増えている
まず初めに、自殺関連の知見について、データに基づいて解説していきます。
令和5年の自殺件数
警視庁が発表している令和5年中における自殺の状況によると、以下の結果となっております。
【令和5年の自殺状況】
・男性:14,862人
・女性:6,975人
・総数:21,837人
自殺理由としては、経済問題・生活問題・交際問題・健康問題など多岐に渡ります。
賃貸での自殺
日本少額短期保険協会の第8回孤独死原状レポートによると、賃貸における孤独死者数の死亡原因が以下のものとされている。
1位:病死
2位:自殺
3位:事故死
死因別の人数は、病死に続いて自殺が多く、男女別の自殺割合は、第1回レポート以降、女性の割合が極めて高い。
令和4年(2022年)の全国民の死者数のうち、自殺者が占める割合の1.4%(※)と比較すると、孤独死に占める自殺の割合が突出して高いことが分か
る。
このことからも、賃貸住宅において、同居人がいない場合に、孤独感が増し、自殺に至る確率が高くなっている可能性が考えられる。
※日本少額短期保険協会 第8回 孤独死現状レポート 孤独死者の死亡原因①より抜粋
自殺件数は今後も増える
昔に比べ、現代では核家族化や身寄りがいないことから起こる「孤独化」する人が増えてきています。
孤独化は自殺と相関的な関係があるため、今後の自殺件数も増える見込みが立ちます。
また、新たな誹謗中傷方法である「SNS誹謗中傷」によって、自らの命を絶ってしまう若者も増えてきています。
自殺現場の特殊清掃はラスティックにご相談ください
今回は、自殺現場の特徴や特殊清掃を依頼する前に注意すべきことについて解説していきました。
自殺はとても悲しいでごとであり、現場を見た時には私たちも胸が苦しくなります。
ましてや、一番苦しいのは残されたご遺族様だと思います。
その中でのお部屋復旧作業は、かなり繊細に行わなくてはならなくなり、管理会社様やオーナー様にも大きなご負担がのしかかります。
(株)ラスティックでは、自殺についての些細なご相談の受付や、グリーフケアなども行っております。
グリーフケアとは、身近な人の死別や喪失を経験した人が悲しみから立ち直れるように支援することを指します。
もし現在、自殺現場の復旧でお悩みの方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。