賃貸で孤独死が夏に増える理由は?遺体発見後の流れや被害について
夏は暑さが厳しくなり、体調を崩しやすい季節です。
特に、一人暮らしをしている方や高齢者は、熱中症や孤独感による健康リスクが高まります。
また、夏は長期連休や家族が旅行に出かけることが多いため、遺体の発見が遅れるケースも多くなります。
この記事では、なぜ夏に孤独死事案が増えるのか、また賃貸管理会社様にどのような被害が出るのかについて解説していきます。
賃貸での孤独死と夏の関係
夏に孤独死事案が増える理由は、いくつか考えられます。
高温による体力の低下
夏は気温が上昇し、体力の低下や熱中症のリスクが高まります。
特に高齢者は体温調節が難しくなり、命に関わる危険性が高まります。
一人暮らしをしている方は、体調が悪化してもすぐに助けを求めることができない場合があります。
極端な節電や節水
孤独死に至る方の一部は、金銭的困難者のケースがあります。
節約のために、空調が必要な季節になっても電気代や水道代を極端に減らす方も少なくありません。
その影響で、体温調整が出来ず、脱水症状を引き起こしてしまい、最悪死に至ってしまうのです。
異変に気づきにくい
夏は実家への帰省や旅行に出かけることが多いため、部屋を空ける機会が多くなります。
その一方で、ずっと部屋にこもっている一人暮らしをしている方や高齢者は孤独感を強く感じることがあります。
もし、その方々に異変や緊急を要することが起こったとしても、周りが部屋を空けているため、助けを求める手段がなくなってしまいます。
賃貸での孤独死における遺体が発見されるまでの流れ
ここからは、遺体発見までの流れについてお伝えしていきます。
特に賃貸での孤独死は、遺体発見が遅れてしまうと、ニオイや害虫による近隣住民への被害に発展してしまう可能性があります。
そのため、いち早く孤独死のシグナルを感知し、早めの対処が必要になります。
きっかけは些細な事
孤独死発見に至るきっかけは、次のようなことで発見されることが多いです。
・家賃が数か月滞納している
・郵便受けに郵便物が溜まっている
・連絡が取れない
・洗濯物が干からびている など
日常生活の些細な違和感がシグナルとなり、孤独死を疑うきっかけになります。
不審なニオイ(悪臭)の感じる
孤独死が発生すると、強いニオイを放ち、やがて部屋の外に漏れ出します。
ニオイが漏れだすと近隣住民から「隣の家の玄関から悪臭がする」というクレームが入るケースもあります。
このニオイを放置しておくと、虫が集まり近隣住民への二次被害が懸念されます。最悪の場合、退去者が出るといったこともあるため、早めの対処が必要になります。
警察に通報して部屋の中を確認
孤独死の可能性を感じたら、警察に通報して部屋の中を確認してもらいます。
その際、警察に通報する前に部屋の中を確認することは危険です。
孤独死現場はどんな菌やウイルスが潜んでいるかわからない、かつもし事件性があった場合、疑いをかけられる可能性もあります。
自分の身を守るという観点でも現場の確認は警察にお願いしましょう。
ドロドロに溶けた状態で発見
遺体の状態は、発見時期や部屋の温度・湿度に大きく影響します。特に夏は腐敗の進行が早く、発見時にはほとんど液状化している場合が多いです。
またニオイも強いため、ハエや蛆などの害虫も大量発生しています。初めて見る人にとっては、かなりショッキングな光景になるでしょう。
賃貸での孤独死がもたらす管理会社への被害
孤独死は、ある日突然些細なきっかけで発見されます。その被害は単に亡くなったご本人様やご遺族様だけではありません。
賃貸管理会社様にもさまざまな被害が及んでいます。
1. 遺体発見による心的外傷
賃貸物件で孤独死が発生した場合、まずは管理会社がそのご遺体を発見することになります。
しかし、ご遺体の状態や発見された現場の光景は、管理会社様のスタッフに大きな心的外傷をもたらします。
特に初めて遭遇する場合は、部屋の見た目やニオイから体調を崩す方もおられます。
2. 警察やご遺族様への連絡
遺体を発見してしまった場合、直ちに警察へ通報しなければなりません。
また、可能な限りご遺族への連絡も必要になります。これらの対応は、通常業務に加え行わなければならないため、大きな負担になります。
特に遺族への連絡は、精神面にも大きな影響をお与えてしまう恐れもあるため、細心の注意を払いながらの対応が必要になります。
3. 部屋のリフォームや掃除の負担
孤独死が発生した物件は、警察に遺体を引き取ってもらった後に、汚染箇所の掃除を行ったり、場合によっては部屋をリフォームしたりする必要があります。
孤独死された方に身寄りがない場合には、これらのお金は管理会社が負担しなければなりません。
ただし、保証会社と契約を結んでいる場合には、保証会社特に臭いや血痕の処理など、普段の業務とは異なる作業が求められます。
4. 事故物件扱いになる
孤独死が発生した物件は、事故物件扱いになり、告知義務が必要になります。
事故物件は通常の物件に比べ、安い価格で提供することになるため、売上面に大きく影響します。
また、孤独死の発生を耳にした近隣住民が、ニオイや害虫の面を考慮して引っ越してしまうケースも少なくありません。
まとめ
夏は高温や孤独感による健康リスクが高まる季節です。
特に、入居者に一人暮らしをしている方や高齢者がいる場合には注意が必要です。
賃貸管理会社は、定期的な健康チェックや緊急連絡先の確認、高温対策の徹底などを通じて、入居者の安全と健康を守るための対策を行っていく必要があります。