初めて特殊清掃をご検討される方へ。正しく業者を選ぶためのポイントを解説
この記事では
・特殊清掃を検討している
・どの業者を選べばいいかわからない!
という人のために
正しく業者を選ぶためのポイント
を詳しく解説していきます。
業者選びでとにかく大事なこと
まずはじめに、これを強くお伝えしなければなりません。
業者選びでとにかく大切なことは、
いきなり業者に連絡してはいけない
ということです。
では、業者選びの前に何をすればいいの?というと
・特殊清掃を正しく理解する
・主な内容を把握する
です。
この記事を読む前に、もしも
・特殊清掃のことを知らずに業者を調べていた
・とりあえず業者に連絡しようとしていた
という方は、ぜひこの後も読み進めていってください!
※緊急を要する場合には、ご遠慮なくご相談ください。
正しく特殊清掃業者を選ぶための4項目
今回は特殊清掃業者を正しく選ぶための重要な項目を4つご紹介していきます。
① そもそも特殊清掃って?
意外とどういう仕事かわからないですよね。
特殊清掃とは
普通の清掃とは異なり、特定の状況や場所で行われる清掃を指します。
ちなみに、主な特定の状況や場所として、
・孤独死が発生した現場
・火事でススが舞い上がった部屋
・ゴミ屋敷ペットのニオイが染みついた部屋
・ウイルスや菌が充満している場所
などが挙げられます。
要するに、普通の掃除では太刀打ちできない現場の掃除をするお仕事です。
よく持たれるイメージで
特殊清掃=孤独死清掃
と思われますが、実際はそれ以外の清掃も幅広く行っています。
② 主な作業内容【孤独死】
この記事を見られている方は、恐らく孤独死現場の清掃を検討されている方だと思います。
そのためここからは、孤独死現場の主な作業内容についてお伝えしていきます。
※あくまで目安であり業者によって異なるため、参考程度にしてください。
汚染箇所の清掃
現場には体液、血液、皮膚、髪の毛など様々なものが付着しています。
これらを全て取り除いていくとともに、お部屋全体の清掃も行っていきます。
実は孤独死現場は、ご遺体のあった場所だけでなく、お部屋全体が汚染されています。
理由は害虫がお部屋中に体液を広げるためです。
<害虫が汚染を広げるメカニズム>
①孤独死が発生
液状化した場所に集まった害虫は、卵を産み付け段々と数を増やしていきます。
↓
②害虫が集まる
液状化した場所に集まった害虫は、卵を産み付け段々と数を増やしていきます。
↓
③集まった害虫に体液が付着する
液状化部分に集まった際に、虫の体に体液が付着します。
↓
④お部屋に拡散される
体液が付着した状態で飛び回り、お部屋全体を汚染していきます。
消臭・除菌作業
専用の強力な薬剤を使用して、消臭・除菌作業を行っていきます。
ここで、きっちりニオイの元を断ち切れていないと、後々ニオイがぶり返してきます。
そのため部屋の隅々まで消臭・除菌作業を行っていきます。
人間の体液は、感染症のリスクがあり非常に危険なため、作業員は常に防護服と専用マスクを着用して作業を行います。
遺品整理 (残置物撤去)
故人様のご遺品を片付けていきます。
ご依頼者様やご遺族様と事前に「残すモノ」のお打ち合わせを行い、作業を行います。
大体探し出すものとしては、以下の通りです。
・現金
・貴重品
・通帳、印鑑、保険証券、年金手帳
・個人証明関連
・アルバムや思い出の品 など
お渡しする際には、菌が付着している可能性があるため、除菌を行った後にお渡しします。
解体やリフォーム工事
時間が経つにつれて、お部屋は体液を吸いあげていきます。
中には、床に染み込んだ体液が下の階まで到達して被害を及ぼすケースもあります。
そのため、染み込んでしまったところは切り取っていき、場合によっては解体も検討していきます。
③ 今後の計画は立てていますか?
今後の計画を立てずに事を進めてしまうと、様々なトラブルを招くリスクがあります。
例えば、
・想像と違う施工をされてしまった
・大切なご遺品を廃棄された
・無知が故に不必要な施工までされた(料金が高額になった)
こうなることを避けるためにも、あらかじめ計画を立てることが必要になります。
誰がメインに話を進めるのか
メインに話を進める人(業者と話す窓口役)を決めましょう。
そうすることで、見積や施工の相談がスムーズに行えます。
もちろん、あくまでメインなだけで、実際に計画をしていくときにはご遺族の中で意見を出し合いながら決めていきます。
どこまで施工してもらうのか
前の項目でお伝えしたように、特殊清掃には様々な作業工程があります。
ちなみに、現場の状況や料金面の理由で施工内容を調整することは可能です。
・とにかく中に入れるようにしたい
・体液だけ除去してほしい
・清掃を含めた完全な原状回復をしてほしい
ここでのポイントは、正直に要望を伝えるということです。
「どのようにしたいか」という要望を伝えることで、業者側が作業内容を調整してくれます。
ご遺品は何を残すのか
貴重品や思い出の品など、残したいものをピックアップします。
特に見落としがちなのが、書類関係です。
孤独死が起きた時には、お部屋のかただけではなく手続き的な作業も必要になってきます。
その際に、
「あの書類が必要だったのに、、、」
なんてトラブルも中には起こるケースがあります。
そのため、故人様のお名前が記載されている紙は全て保管してもらうことをおすすめします。
④ 業者に問い合わせてみましょう
ここまで準備出来たら、いよいよ業者に連絡してみましょう。
とは言っても、孤独死を発見した後は、頭が混乱していると思うので中々計画しきれないことも多いと思います。
きちんとしている会社であれば、現場以外のお悩みも必ず相談に乗ってくれます。
大切なのは、分からないことや悩みをストレートに伝えることです。
第三者として意見を聞くことも効果的です。
特殊清掃業者に関するQ&A
一般的によく質問されるお悩みをまとめました。
ご参考にしてください。
Q.ご遺体の搬送は特殊清掃業者が行ってくれますか?
→いいえ、ご遺体の搬送は警察が行います。
特殊清掃業者はあくまで、現場の清掃が専門です。
もし、孤独死を発見したり孤独死の疑いがある場合は、直ちに警察または救急隊に連絡してください。
Q.特殊清掃の作業には立ち合いは必要ですか?
→作業中は不必要です。
作業現場には感染症のリスクや悲惨な光景が広がっているため、作業中の立ち合いはオススメしません。
ご遺品の盗難などがどうしても心配な場合は、業者側に相談して立ち合いをさせてくれることもあります。
ただし、作業前と作業後はご確認のためために立ち合いが必要になります。(要相談)
Q.ぼったくり業者の見分け方を教えてください
→下記の特徴の特徴に当てはまる場合、ぼったくり業者の可能性があります。
他の業者を検討することをおすすめします。
・見積内容が不透明すぎる
・値段が異常に安い(←追加請求の可能性大)
・写真やオンラインだけで見積金額を決める
初めての特殊清掃は、一人で無理せずご相談を!
今回は、初めて特殊清掃をご依頼する方に向けて、正しく業者を選ぶためのポイントを解説していきました。
初めてのことだからこそ、事前の準備や要望を伝えることがより大切になります。
ただ、一番やってはいけないのは、全て一人で抱えること。
孤独死の相談は、特殊清掃業者だけでなく、弁護士、不動産、警察、カウンセラーなど様々な業種に頼ることができます。
今回の記事が少しでも業者選びにお役立ちいただけましたら幸いです。
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