【写真無し】特殊清掃の虫事情│孤独死に集まるハエやウジ虫
特殊清掃現場には、あらゆる種類の虫が発生します。
この記事では、特殊清掃現場で虫が発生する理由を状況別に解説していきます。
また、発生する虫の種類や虫が及ぼす影響や被害についても解説していきます。
もし、現在特殊が必要な現場で虫が発生している場合には、早めの対処が必要になります。
特殊清掃現場に虫が発生する理由│状況別に解説
特殊清掃現場に虫が集まる理由は、「虫が好むニオイ」が発生しているためです。
そもそも嗅覚には、エサを探す機能や危険を察知する機能など生存していくために重要な役割をしています。
そして嗅覚から得た情報を元に行動を起こしていきます。
ただ、ニオイの認識が虫と人間では違います。
例えば腐敗した食品を例にあげると、そのニオイを嗅ぐと人間は口に入れてはいけないという防衛反応を起こします。
一方で腐敗したモノを好む虫にとっては、そのニオイはエサがある場所を示すサインになります。
ニオイに集まることは虫の本能で在り、生存や繁殖をしていくための重要な役割を果たしています。
孤独死
孤独死現場では、ご遺体が腐敗して流れ出た体液や血液が散乱しています。
各液体は時間が経つに比例して強烈なニオイを放ちます。
このニオイは死臭や腐敗臭ともいわれ、一部の虫(ハエや蛆)が好むニオイです。
警察がご遺体を搬送する際のドアや窓を開けたタイミングや家の小さな隙間から、ニオイを嗅ぎつけ集まってきます。
そこで、卵を産む生殖活動をしていくことで、一気に虫の数が広がっていきます。
ゴミ屋敷
ゴミ屋敷には、ニオイだけでなく虫に取って最適なエネルギー源やタンパク質が豊富にそろっています。
例えば、食品の食べ残し、冷蔵庫で腐敗した食品、人間の皮脂や髪の毛などがあげられます。
エサの種類が多いため、発生する」虫の種類も多いのが特徴です。
空き家
空き家は長年放置されていく中で、ほこりやカビが溜まり、そこに虫が集まりやすい環境です。
また、老朽化して穴が開いた隙間や、機能しなくなった水道管からも侵入してきます。
中には第三者から不法投棄されたゴミのニオイで虫が集まることあります。
発生する虫の種類│ハエやウジ虫・ゴキブリなど
続いて、特殊清掃現場で発生する虫の種類について説明していきます。
主な虫の種類は以下の通りです。
- ハエ・蛆虫
- チャタテムシ
- ヒメマルカツオブシムシ
- ゴキブリ
- 死出虫(シデムシ)
虫にはそれぞれ食の好みが違うため、食べカスや腐敗物、排泄物など現場にあるモノによって発生する虫も変わります。
ハエ・蛆虫
ハエと蛆虫は実は同じ分類になります。
蛆虫はハエの幼少期を指し、蛆虫が成虫になるとハエになります。
幼少期と成虫ではエサの好みに違いがあり、ハエは食べ物などにたかるのに対して、ウジ虫は排せつ泄物や腐乱肉などに湧きます。
特に孤独死現場で誰にも見つからない状態が続くと、腐敗したご遺体に蛆虫が大量発生してしまうこともしばしばあります。
チャタテムシ
チャタテムシのエネルギー源は主にカビです。
ゴミ屋敷や空き屋でよく見られ、体長は1~2mmほどの虫になります。
カビを好む性質上、湿気の多い場所に好んで生息します。
例えば、畳のある和室や古い本が入っている押し入れなどに多く住み着いています。
ヒメマルカツオブシムシ
ヒメマルカツオブシムシがよく発生する現場は、主にゴミ屋敷です。
見た目は、幼虫はピンク色をしており、成虫になると茶色になります。
ヒメマルカツオブシムシの好物は、衣類や絨毯などの羊毛やシルクの繊維を好みます。
そのため、衣類や布団をしまっている押し入れやタンス、クローゼットによく生息しています
ゴキブリ
特殊清掃現場で一番よく想像されるのがゴキブリです。
ゴキブリの脅威は、何でも食べるかつ生命力・繁殖力が非常に強いことです。
例えば、食べ物の食べカス、段ボール、人間の皮脂などあらゆるものを食します。
ゴキブリのフンにはアレルギー作用があり、健康上の被害も出ることもあります。
それだけでなく、フンには仲間を引き寄せる作用もあり、1匹発生すると一気に繁殖するのが特徴です。
死出虫(シデムシ)
死出虫は孤独死現場によく出現する虫です。
死出虫が好むものは、蛆虫や死肉です。
そのため、ご遺体があった現場に発生した蛆虫と共に発生します。
名前が特徴的であり、“死体があると出現する”という由来から【死出虫】という名前になりました。
虫がもたらす被害や影響
虫が発生すると人間や建物、近隣住民など多くの被害や影響を与えます。
さらに、それを放置しておくと増殖が止まらず、駆除しきれない状態になってしまいます。
取り返しがつかなくなる前に、早めに業者に問い合わせて対処してください。
人体の健康を脅かす
虫の卵や糞尿には、有害な成分やアレルギー反応を起こす物質が含まれています。
それらを吸ってしまい人体の体に取り入れてしまうと、呼吸器疾患やアレルギー性の反応を引き起こしてしまいます。
また、卵や糞尿だけでなく、虫の体に付着した埃やカビで部屋中を飛び回ることで、部屋全体を汚染していきます。
近隣住民への二次被害
特殊清掃現場で発生した虫は、その部屋だけにとどまらず、近隣住民にも被害をもたらします。
例えばゴミ屋敷で発生したニオイや孤独死現場で染み込んでしまった体液が、他の部屋まで影響を及ぼしていた場合、その部分からも虫が発生・繁殖してしまいます。
これらが続くと、アパートやマンションの住民は、引っ越しを余儀なくされることになり、管理会社さんや大家さんにとっては痛手となってしまいます。
建物や部屋への影響
虫の中には建物の素材自体をエサにして生存している個体もいます。
エサとして食べられ続けた建物は、ボロボロになっていき傷や穴が空くようになります。
これらが繰り返し続いていくと、建物自体の耐久性が落ち、最悪の場合崩壊してしまう危険性もあります。
繰り返し虫が増殖していく
虫は人間に比べると繁殖力が非常に高く、一度発生すると一気に数が増えます。
ましてや特特殊清掃現場では、虫が生存していくのに最適な環境が整っているため、現場の発見や清掃が遅れるとどんどん数が増えてしまいます。
増殖しすぎた虫を完全に駆除することは非常に難しく、発見するたびに駆除しなければならないいたちごっこ状態になってしまいます。
まとめ:特殊清掃現場の虫を適切に駆除する方法
今回は特殊清掃現場で虫が発生する理由からその種類、被害や影響について解説していきました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 特殊清掃現場で虫が発生する理由は、虫が好む環境が整っているから
- 現場の状況によって出現する虫の種類が変わる
- 虫を駆除しないと人間や建物に被害を及ぼす
特殊清掃現場の虫を適切に駆除するためには、虫が好むニオイやエサを正しく除去する必要があります。
そのためには、特殊清掃・遺品整理・害虫駆除の知識を正しく所有しており、一貫して施工してくれる会社を選ぶことが重要です。
筆者が所属している(株)ラステックでは、豊富な経験実績を元にニオイや汚れを正しく見つけ出し特殊清掃を行う会社です。
現在特殊清掃を検討されており、虫やニオイを残したくない方は一度ご連絡ください。